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低分子ゲル化剤のゲル化挙動と溶解効果の解明:新規機能性低分子ゲル化剤の開発

分子間に働く弱い相互作用を巧みに組み合わせることで,分子の異方的な自己会合体形成が可能となる。このとき,溶媒は極めて重要な役割を果たす。当研究室では,ゲル化剤と溶媒との関係性について,ゲル化剤の部分構造変化に伴うゲル化挙動を詳細に検討するとともに,溶媒パラメータを用いた解析を通して,ゲル化剤間に働く相互作用の解明を行ってきた。このようなゲル化挙動の解析から得られる知見は,目的とする機能性を付与した低分子ゲルの開発を可能にする。

両親媒性低分子化合物の合成とLCST挙動を利用した機能性化合物の創成

疎水性部位と親水性部位とを併せ持つ低分子有機化合物を新規に合成し,熱刺激に連動した分子集合体形成をもとに,機能性制御が可能となる。低分子化合物の自己集合体形成には,分子構造中の親水性および疎水性のバランスが極めて重要である。当研究室では,分枝した複数のオリゴエチレン鎖を周辺に配置し,そのコア部分に機能性部位を導入した一連の化合物群を合成することでLCST挙動と分子構造との相関性を明らかにするとともに,機能性発現における至適な条件設定を添加物により調整できることを解明してきた。

​両親媒性低分子化合物を用いたHeat-set ゲル形成およびゲル収縮を利用した薬物放出モデルの構築

作成中

参考文献

   安藤倫朗,田島瑛,伊藤和明「刺激応答性高分子ハンドブック」 第2編 応用編 第1章 温度応答性 第18節 熱応答性発光性ゲル,株式会社エヌ・ティー・エス,2018年

​ 田島瑛, 秋山結香, 安藤倫朗, 伊藤和明 「ゲル化剤・増粘剤の使い方、選び方 事例集」 第6章 刺激応答性ゲルを作成するには 第5節 熱応答発光性低分子ゲルの開発,技術情報協会,2018年

 安藤倫朗,岡田拓矢,井上隆典,伊藤和明「低分子ゲルのゲル化挙動と溶媒効果] 日本油化学会, オレオサイエン, 17(12) 615-622,2017年

   伊藤和明, 伊藤圭一 「3,4,5-アルコキシ置換フェニル基をもつ糖誘導体のゲル化特性:ハロゲン化溶媒の選択的ゲル化」, シーエムシー出版, ファインケミカル, 46(10) 13-24,2017年

   伊藤和明, 安藤倫朗「低分子ゲルの開発と応用」 第11章 刺激応答性ゲル,シーエムシー出版,2016年

 伊藤和明, 永山景子​ 「ゲルの安定化と機能性付与・次世代への応用開発」 第1章 ゲル化法・ゲル作製手法 第1節 カルボヒドラジド誘導体の合成とゲル化特性,技術情報協会,2013年

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